STノズル式スチームトラップ

スチームトラップとは

スチームトラップとは、ボイラーで作られた蒸気は、配管内等で冷やされ、または、プロセスで熱を使い凝縮水となります。この凝縮水が溜まらぬように、適量排出するための装置です。

蒸気輸送配管:質のよい蒸気を安定して設備に供給する
蒸気使用機器:生産性を最大限に、短時間の立上り、品質ムラを防ぐ
トレースライン:製品配管内の流体を一定温度に保持する

スチームトラップに求められる機能

・凝縮水を排出する
・できるだけ蒸気を漏らさない
・速やかに空気等を排出する

スチームトラップの種類

1.間欠式(機械式)

バケット式
ディスク式
バイメタル式
フリーフロート式
※一部連続式の要素を兼ねた方式

①弁が作動した時に生蒸気の流出。
 →弁が閉じる時のタイムラグ・大きく設定した安全率等に起因。
②機械的消耗により経年劣化と能力喪失・故障。
 →弁部・シール部の磨耗、機械的不具合等に起因。
③滞留ドレン排出時に衝撃・振動の発生。
 →トラップ本体のみならず、配管設備不具合の要因に。
④消耗品である。
 →2~4年程で初期能力を失い、蒸気漏れが過度に。

2.連続式

オリフィス式
ベンチュリーノズル式
STノズル式(ST Nozzle Type Steam Trap)

既存スチームトラップの長所と問題点

間欠式(機械式)

長所

設定レンジの範囲であれば、凝縮水の増減や圧力の変動に対応する。

問題点

構造上回避できない蒸気漏れが生じる

  • トラップ開閉に伴う圧力変動を原因としたスチームハンマーを起こさないよう、凝縮水を残さず排出するため、必然的に蒸気漏れをおこしている。
  • 本来であれば潤滑補助(グリス・ベアリング等)が必要な稼働であっても、凝縮水を感知する機構と弁の構造が近く、高温高圧の環境となるため使用できない。その結果クリアランスを設けるが、経年劣化が生じるため、耐用年数が短く蒸気漏れが発生する。
  • 異物の噛み込みや堆積を起因とした蒸気漏れも生じる。また、排出時の流速が速く、稼働が追いつかないため生じる蒸気漏れも多い。

STノズル式スチームトラップの長所

  • ノズル交換による調整が簡単
  • ストレーナーを内蔵しており、ゴミ等の噛み込みを防止
  • ノズルはトンネル構造であるため摩耗の影響を受けにくい
  • 多彩なノズル種類により、幅広い流量へ対応可能
  • 蒸気ロスが最も少ない運用ロジックを有する
  • 弁の開閉弁に伴う圧力変動が起きない
  • 優れた耐久性
  • メンテナンスが簡単

STノズル式15A

STノズル式スチームトラップの特徴

特徴特徴の要因
1.高い耐久性能・すべてステンレス鋼製
・可動部が無い
2.高い省エネ性能・ノズル選択により、連続ドレン排出
・燃料費削減
3.高いメンテナンス性能・適宜フラッシングでストレーナー清浄
・管理工数の削減
4.周辺コスト削減性能・ボイラー給水費、軟水化費用削減
5.総合環境性能・高い省エネ効果
・高いCO2削減効果
・騒音対策連動

STノズル式 トラップ構造

STノズル式スチームトラップ

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